リンゴを赤くする!(秋田県平鹿町)
米とリンゴ処の平鹿町を回っていました。

どれだけ収量と質を高めるか。如何にお日様がリンゴに当たるようにするか。そこから、枝の切り方や伸ばし方、樹のつくり方を工夫していく。30年40年かけて樹を作り、リンゴを作る。これはもうアート。
収穫作業に追われるリンゴ屋さんともたくさん話しました。
リンゴは放っておいても赤くならないんですね。農家が赤くしているんです。
例えば、「葉摘み」という作業がある。リンゴに太陽光がしっかり当たるようにリンゴの樹の葉をちぎっていきます。朝からとにかくリンゴの葉を取る。エラク地味な作業です。
あるいは、「玉回し」。樹に成っているリンゴを少しねじります。するとリンゴに直射日光がまんべんなく当たるようになるんです。一個一個ひねっていく。これまた、エラク地味な作業です。
リンゴ畑を歩いていると、銀色のシートが地面に貼られているところを良く見ました。何かと思ったら、銀のシートに太陽光を反射させて直射日光量を高めているんです。「シルバーマルチ」と言います。
こうやって、リンゴは赤くされているんですね。
こういった農家の地味な作業によって、真っ赤な美味しいリンゴがあなたの手元に届きます。
でも、実は「真っ赤な美味しいリンゴ」というのは、真っ赤な嘘とまでは言いませんが、どこかで幻想なのです。
例えば、シルバーマルチをして色を乗せても、味は乗ってこないんです。中が熟する前に、外見が良くなるだけなんですね。ある農家は「うちはシルバーマルチを持っていないよ。リンゴの尻を見て農家はリンゴの熟度を確認するんだ。人工的に光を当てて赤くしてしまうと、どれだけ熟れているか分からなくなるんだ。美味しいものを届けようと思ったら、あまり必要のないことなのだと思う。けれども、消費者や市場は真っ赤なリンゴを欲しがるからねぇ。」

あるいは、葉摘み。葉摘みをしない「葉とらず」という作り方もあります。あまりムリして葉摘みをしない。すると、色は乗ってこないが、たくさんの葉っぱが光合成をしてくれるから、味は断然良いのだそうです。生協や大手スーパーと契約して「葉とらずリンゴ」を栽培している農家もたくさんいました。
美味いリンゴはなぜ美味いか、赤いリンゴはなぜ赤いか。想像して下さい。そして、味わって下さい。リンゴ、今が旬です。







