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「加工所の魅力は与えて、与えられる関係にあり」

とあるメルマガに書いた原稿再録

赤村の食について、今日は赤村の食を発信し続ける特産物センターの加工所を覗いてみよう。全国的に直売所が乱立しているのが現状で、その数は有人周年運営タイプでおおよそ2800店、4000億規模の市場だと言われている。乱立する直売所の中で特徴を出していくには農産加工が鍵を握る。弁当、惣菜、餅、お菓子、パン、漬物、味噌などなど。その地域のご当地加工品がウケルのだ。一年中安定して「あそこに行けば何かある」と思わせられるのも強みとなる。そういった加工をするのは農村の女性たち。それも、大抵が60歳以上の方々。60なんて若い方で、70でもバリバリ働く。そして、この母ちゃんたちが素敵なんです。

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新潟県上越市の朝市の風景 朝市は元祖直売

赤村の加工所は時々「裏食堂」と化す。仕事が忙しかったり、段取りが悪かったりで昼ごはんがないと言う時、僕は加工所に電話をする。「カクさ~ん。お昼ごはんあるかな?」「食べに来よるか?何人ね?何かかんかあるわい。はいはい、まっとるよ~」といった感じ。鳥越農園で働く仲間もちょくちょく利用している。
行くと加工所で作っている弁当のおかずモノの余りを様々出してくれる。ごはん、手作りコンニャク・ニンジン・半生大根の煮戻し・タケノコなどがたくさん入った煮ゴミ(筑前煮)、鯖のぬか味噌炊き、白菜漬けやキュウリのぬか漬けなどの漬物、掻き揚げ天ぷら、から揚げ、コーンコロッケなどなど。時には試作品も食べさせてくれる。おからの酢の物なんてのも食べさせてもらった。こないだ来た客人は「いやぁ、イチイチ美味いねぇ」と感激していた。赤村産の野菜を使い、村の天然水で炊事しているから、素材も良いし、何よりも母ちゃんたちの創意工夫と愛情が込められていて美味い。
「あんた、痩せとるきぃ、ここでたくさん食べて肥えなさい!」「こないだ、隣町まで餅つきの出前に行ってきたんよ。ば~さんたちでペッタンコペッタンコやってきたばい。今度は加勢にこんね?」「あんたまた何でこんな田舎に来たん?物好きやねぇ」「コーヒー屋(スローカフェクリキンディ)は何時まで開いとるんかね?今度みんなでいかんきゃねぇ」「あんた、ぬけ漬けするかい?するなら床分けするよ」なんて会話が弾む。
そんな話の中から僕もぬか漬けにチャレンジすることに。漬物桶を持って行ったら、ものの10分ほどでぬか床が出来てしまった。カクさんというか~ちゃんが何年も維持しているぬか床を気前良く分家してくれた。「一生モンだきね。自分で何時間つけたら美味しいかためしちょったら良いバイ」と。ぬか床にたっぷり入れた山椒の香りがイチイチ僕を幸せにしてくれる。
農村に定住すると、こうして「与えられる=ギブされる」ことが多い。そして、その関係にはほとんどお金が介在しない。ああ、僕は何をお返しできるかなぁ何てことを考えながら、やはり今日も何かをもらっている。僕に出来ることは労働力提供ぐらいかなぁ。この気持ちが手間返し=結の原型なのだろう。give and take 与えて、取る(奪う)という関係ではなく、give and given与えて与えられるという関係へ。

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2006年06月19日 21:50に投稿されたエントリーのページです。

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