通訳ヒサビサ
「ごとーさん良くもまぁ、翻訳家やらかなりのレベルの通訳ができる人を前にして、堂々と通訳こなせますよねぇ。すごい心臓ですよねぇ」
なんて、コメントをもらう。
先日、博多にて「森の哲人 カルロス・ソリージャさん講演&対談」というイベントを組んだ。
当初、ウインドファームのスタッフの井上さんか僕が通訳をするという話になっていた。
僕はここ最近、普段英語を使う機会がほとんどないので、不安。
けれども、こういった機会にでも英語に触れておかないと脳みそが退化する気もしていてチャレンジはしたかった。
井上さんはスペイン語がかなり堪能。ソリージャさんは英語もスペイン語も両方OK。

07年10月にエクアドルを訪問した際にソリージャ亭にて
「ま、様子を見ながらどちらがやるか決めましょう」という形になっていた。
余りに英語脳みその活性化が間に合わなかったので、1週間前に井上さんに相談すると
「いやいや、僕も事前の準備が間に合わないから、ここ最近、ソリージャのテキストやエクアドル・インタグの状態を読んでいる後藤さんがメインでやった方が良いですよ。僕は、対談の部分で日本語をソリージャさんに訳しますから」と。
「まじっすか!?」ということで、腹をくくることに。
さて、しかしながらどうしたものか?
そうだ、と思い、東京で行われる同様のイベント音源を送ってもらうことに。
以前、ブータンからゲストのジグメさんが来た時に、通訳を担当したのだが、直前に別の講演音源を聞いておいてすごく助かったのを思い出した。
ナマケモノ倶楽部の事務局の方が協力してくれて、東京と神奈川でイベントがあった翌日にメールで音源を送ってくれた。
それを、イベント1日前に聞き、特殊な言い回し、講演の内容やネタなどを頭にインプットする。
そんな準備をして、当日。
ソリージャさんと中村さんと一緒に昼食を取る。
ソリージャ氏「ビール!」と。
「ヴぇ?ビール???」
しかし、あまりに自然にオーダーしているからか、一緒にいた中村さんも「おし、飲むか」と。
「僕も!」と思いつつ、いやいや、通訳に支障が出たらしゃれにならんから、と必死にガマン。

焙煎工場にて焙煎実演の様子。ソリージャ氏、中村氏、コーヒーのこととなると眼つきが変わる。
で、本番。
事前に聞いていた音源では、ソリージャさんはスライドを見せながら話をするスタイル。
でも、この日は中村さんがゲスト紹介の際にいくつかスライドを見せていた。
というわけで、この日はソリージャさんスライドを使わずにガンガントークを展開する。
「げっ、いつもと違う展開じゃん」と思いつつ、
眼つきが悪くなるほどの集中力を頭脳に回して通訳。

ソリージャさんも話が乗ると、途中で止めずに話しきる。
「ほっほっほ、通訳がちょっと大変かな」とか言いながら。。。
後で聞いた話だと、「話にはリズムがあるから、なかなか途中で切れない時もあるんだ。悪いねぇ」と。
しかし、自分でも驚くほどの集中力。ヒサビサに頭脳フル回転。
一番良かったのは事前に音源を聞いていたこと。
これに尽きます。
スタイルは違えども、話の本質は一緒。ネタも一緒のところも多々ある。
自分の頭の中で要素をつなげながら、日本語にしていく。
しゃべりながら、どの日本語にしたら伝わり易いのか?ということを意識している。
けれども、自分の考えよりも先に先に言葉が出てくる。
さらに、ソリージャさんがしゃべっている以外のことも「これを付け加えた方が分かり易いだろう」と勝手に付け加えたり。
すっ飛ばした箇所もあるだろうし、勘違いして訳している箇所もあるでしょう。
でも、おおむね通じたようです。
翻訳を仕事としている人から「あれだけ自然体で通訳できるのって良いね」なんてコメントももらいました。
そして、イベント後、あるスタッフに冒頭の言葉を言われたのです。
別の人に「通訳は良くやるんですか?」と聞かれました。
イベントなどの公の場で通訳するのは、考えてみると、3回目。
事前に音源を聞いておかなかったら、と考えるとぞっとしますが、良い経験でした。
まだまだ、英語の頭脳は死していないようです。
でも、日ごろから活性化しとかないとですね。