お金がなかったら?
「お金」
なかったらどうしますか?
途方に暮れる?
食っていけない?
不安になる?
お金というものが存在しない国があるんです。
本の中ですが。
ある男が迷い込んだ世界にはお金というものがそもそも存在しない。
「お金が存在しない」ということを軸に世の中を考えてみるととても面白いことが伝わってくる。
この本を読んでいて思ったことは、
「食うためには仕方がない。現実は厳しいんだ」とつぶやいて嫌々やるような類の仕事が存在しなくなるのかな、ということだ。
お金のいらない国では、仕事は報酬のため、つまりお金のためにするのではない。
もちろん、名声や権力のためでもない。
では、何のためなのか?
お金のいらない国の紳士は言う
「多分、そのお金というものを得ることが仕事の目的だと皆が思っているうちは、あなたの国の、真の意味での進歩はないでしょうね。仕事の目的は世の中の役に立つことです。報酬ではありません。報酬を目的にしていると、必ずどこかに歪みが生じてきます。自分の行なった仕事以上の報酬を得ようとしたり、必要のない仕事を無理に作って、自分の利益だけは確保しようとする動きが出てくるでしょう。そうなると、完全な競争社会になります。それもお互いの向上を目的としたものではない、単なる足の引っ張り合いになるはずです」
・・・・・・
「あなたの今やっている仕事が、本当に価値のあるものかどうかを判断する、簡単な方法をお教えしましょう。仮に、社会からお金というものがなくなり、その仕事によって報酬を得られないとしても、自分がその仕事をすべきだと思うかどうかです」(pp.37-38)
ちょっと具体的に考えてみよう。
例えば、不自然な食品添加物を世に送り出すこと。
いつの間にか世の中に蔓延していて、日本人は年間平均して4キロの食品添加物を摂取しているとの話もある。
例えば、コンビニの弁当やオニギリには数10種もの添加物が入ることもあるそうだ。
そういったものを複合して摂取していることと、ガンの増加、キレる子ども、アトピー・アレルギー増加の関係も疑われる。
「簡単、便利、きれい、安い」ということを求める消費者がいてこそ添加物はなくならないとの話もある。
食品添加物があってこそ、マガイモノの食品が世に出回る。
賞味期限改ざんで大騒ぎしていたが、そもそも改ざんしても使い回せる=腐らないということや、
添加物まみれの食品のソモソモの安全性に疑問を持った方が良いのではないかと思ってしまう。
そして、大手食品会社は資本を持っているので、舌を麻痺させる化学調味料だろうが、美味しくないインスタントコーヒーだろうが、広告の力で売りまくる。
「自分の子どもには食べさせたくない」ような食品を開発する仕事、そんな食品を売る仕事、広告する仕事。
そういったことが原因で病気になった人を診察・治療する仕事。
「お金」を価値軸にして考えれば、GNPはドンドン上がるし良いことになる。
もちろん、そういった仕事にやりがいや生き甲斐を感じている人もいるだろう。
他方で、「食っていくためには」と仕方なしにやっている人もいるだろう。
後者の場合、お金のいらない国では、仕事としては存在意義が薄い。
淘汰されていくはずだ。
嫌々やっているのであれば、報酬がもらえないのに続ける意味がない。
社会の役に立っているという前向きな実感を持てなければ、その仕事は成立しないことになる。
多くの人が食べて「美味しい」と思い「健康になれる」と感じられる質の良い野菜や食品がもっともっと流通することになるかもしれない。
わざわざ、海外から季節はずれのものをエネルギーを使って運んでくるようなこともなくなるかもしれない。
ただ、お金がなければの話だ。
