定住してからの食
移動遊牧から定住農耕にシフトしてもっとも変わったことは食生活です。移動遊牧時には与えられる食、外食がほぼ100%を占めていましたが、赤村に来てからはほぼ100%自炊しています。「あんた、ご飯は何食べとると?自炊しとると?大変やねぇ」といった言葉をウーフ先のパートさんたちにたびたび言われます。けれども、今の僕には自炊は愉しくってしょうがないイベントごとなのです。

ある日の食卓 玄米、味噌汁、大根と菜っ葉のゴマ煮、白菜漬け(買ったもの)
最近読んだ本に『オーガニックベース』というマクロビオティックの本があるのですが、そこで「玄米食から始めましょう」といったことを読みました。米編に白いと書いて粕(カス)、白米はお米の生命力と美味しい部分をわざわざ削り取ったものだといった話に愕然としました。定住したら玄米食だな、と心は決まり。
現在はウーフ先の農家からキロ500円ぐらいで無農薬紙マルチ除草のコシヒカリを玄米で買ってきてほぼ毎日圧力釜で炊いています。赤村友達の岡本君や那須君にも教えてもらい、大豆と昆布を洗った玄米と一緒に炊くんです。僕はタイマーを使わず、蒸気の音を頼りに大体の感じで火加減を調節しています。蒸気が抜けた後に蓋を開ける時のドキドキワクワク感は皆さんにも味わって欲しいものです。今日は上手く炊けたかなぁ、オコゲも上手く出来てるかなぁ、何てことを期待しながら蓋を開け、蒸気の向こうから見えてくる玄米の状態を凝視しながらシャモジを米に入れる。「おっ、上手くいった」「ちょっと水気が多かったかなぁ」なんてことで一喜一憂。毎回蓋を開けるのが愉しみなので、毎日毎日食べきる量ぐらいを炊いています。
次によく作るのが味噌汁。赤村の小林ひさえさんという人が仕込んだ「特上味噌」を主に使います。「天草の天然塩とにがりを利用した特上味噌、限定100個」の文字に見事に乗せられたのですが、確かに美味い。煮干で出汁を取って、野菜をしこたまぶち込んでいい味になった時には「ビバ発酵食品!」と一人で叫んだりしています。危ないですね。
気が付けば摂取している動物性淡白は煮干のみのことが多いです。後は、ウーフ先でもらう傷物の有機野菜、特産センターという直売所で仕入れる豆腐やシイタケ、その他の新鮮な野菜たちが食卓に並びます。野菜の味がこれほどしっかりしたものをたくさん食べていると、肉だ魚だといったモノが欲しくなりません。
石草窯という陶芸家の母ちゃんである次子さんからは切干大根だとか菜の花のおひたしだとか、キムチだとか手作り品をしょっちゅうもらいます。これがまた美味い。
食生活が変わったからなのか、今のところ花粉症がそれ程ひどくないのも嬉しいことです。自分の食生活を通して「やはり農村空間に豊さの源泉がある」とたびたび思ってしまいます。赤村の定住農耕の食、とってもシンプルですが、かなり贅沢です。次のステップは自分で育てた野菜が食卓に出てくることかな?
cf: 『オーガニックベース』の書評