| 丸森のまるごとをどう生かすか? 後藤 彰 29/Dec/04 up date |
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今までいくつもの市町村や集落を巡ってきたけれど、丸森町は本当に回っていて面白い場所だった。レポートを書いた場所以外にも様々な動きがあって、それぞれに物語がある。例えば米が美味いと言われる小斎地区では「ふるさと提携米」がある。これは、減農薬減化学肥料で米栽培をし、生協を通じた産直スタイルで消費者へと美味しいお米を届ける仕組みだ。もう16年近くやっている。関わっているメンバーは消費者と生産者の交流会をやったり、稲作体験をコーディネートしたり、東京まで販促で出かけて行ったりと様々な努力をしている。部会長は「稲作に従事するよりも多くの時間を外に出ることで使っているかもしれない」と苦笑いしていた。印象的だったのは部会長が「これからは『売れる米作り』ではなくて、『買ってもらえる米作り』なんだ」と言っていたことだ。それは交流や販促などの手間をかけて消費者との関係を作る米作りということだ。「丸森の米だから食べる」と言ってもらえる関係作り。米だけを売っているのではないのだろう。 他にも丸森町は町役場のバックアップもあってか新規就農者が多い。僕も数名の新規就農者に出会った。それぞれに個性的な人たちだったが、集落に受け入れられている感じを受けた。集落の人も何かと世話を焼いたり、野菜をお裾分けしてやったり、農業の知恵を話したりしているようだ。ある脱サラ新規就農者は「収入からみれば以前とは比べ物にならないけれども、全然後悔していない」と言い切っていた。 他にも自然薯研究会、じゅうね(エゴマ)研究会、木酢研究会といった動きもあった。エゴマは搾油する計画もあるとか。
一方で高齢化はドンドン進み、人口の減少も起きている。でも、なんだかんだと動きがあり、人々は飄々と生きている。そんな地域を外から見ていて感じたのはそういった動きが個別バラバラに展開されていて、お互いをそれほど良くは知らないということだ。自分が見てきた動きを話すと「何となく知っているけれども、会ってじっくり話したことはないんだよね」といった反応が多々あった。それは、もったいないことだと思う。もっとお互いが連携して、勝手に応援し合い、情報を共有し、丸森を丸ごと生かすことができるのではないかと僕は思った。その意味でのネットワーク化が出来れば、丸森でのグリー ンツーリズムは充分成立すると思う。それだけ魅力に富んだ空間だからだ。 「ネットワーク化」と言葉で部外者が言うのはいとも簡単なことだ。現場を見てみると、結局人々は自分の生活や活動で手一杯だ。皆、ネットワーク化をすれば良いことぐらい感じているだろう。が、現実的には時間や生活の制約から上手く出来ない。そこで、一つのアイディアとして、そういった「もう一歩の手間」をヨソ者や若者が担えないものか?地域づくりに必要なのは「情熱を持った地元のバカ者、エネルギーのある若者、そして異なる視点を提供できるヨソ者」だという話しもある。「『もう一歩の手間』を加えればもっと良い仕組みになるのに」「もうちょっと頑張れれば、新しいことが始められるのに」という感覚は地域づくりをやっている人々が共通に持っているものではないだろうか。その手間を若者やヨソ者、バカ者が担う。さらには、それを仕事にしてしまう。「丸森には仕事がない・働く場所がない」とも言われるが、働く場所を地域づくりと絡めて創り出せないものか。そういった仕事の創造は地域内で相対的に自律的な経済領域を創り出していくだろう。 そのためには、日本社会がもっと休暇を長く取れる仕組みを持ち、生き方・働き方の多様性を受け入れられるようになっていく必要があるだろう。
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